(主要人物:皆守、葉佩 ジャンル:シ、シリアス? キーワード: - 作品No.17)
最終更新:2005/03/14(Mon) 14:22
寄稿者:ゆりんこ
最近よく「変わった」と言われる。認めたくはないが自分でもそう思う。
今まで人に関わるなんてごめんだった。人に関わるってことは疲れるだろう?笑う、泣く、怒る。何も感じたくなかった。もう疲れていた。つくられた安寧に身をゆだねて、ラベンダーの香りに包まれて眠る。ひどく、穏やかな時間だった。眠っていたら時間は簡単に過ぎていく。
なのに――≪転校生≫が――葉佩九龍が全てを掻き乱していった。
屋上で昼寝してたらわざわざ叩き起こしに来るおせっかいな奴。「甲太郎、俺をかまえ」なんてへらへら笑って。あいつの周りでは何かしらいつもバカ騒ぎが起きる。無理矢理俺を巻き込んで、またへらへら笑って。何がそんなに面白いんだよ?
「甲太郎がいるだけで楽しいぜ?というか嬉しいっていうか…あ!でも俺の方見て話してくれてる時はもっと嬉しい!」
眼キラキラさせて男に言うセリフかよ…呆れたフリしてつっこんだけど本当は照れくさかっただけだ。気付かれてんだろうけど。おまえは嬉しそうに笑ってたから。
――その時、思った。
こんな風に変わるのもいいかもしれないって。この俺が…だぜ?お前のせいだよ。お前の傍が心地良すぎだから。
俺はお前を裏切るけど、ひどく傷つけるだろうけど、その日がくるまでは傍にいたいとそう、思ったんだ。
ガチャ。
「甲太郎!またココ(屋上)で寝てんのかよ!」
だから俺の横で今みたいに笑っててくれ。