(主要人物:葉佩 阿門 ジャンル:ギャグ キーワード: - 作品No.35)
最終更新:2006/02/25(Sat) 19:32
寄稿者:江保場狂壱
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クレクレ葉佩
くれくれくれ~♪
くねって、くにゃった、くにゃりんこ~♪
なんでもほしがる~、く~れくれはばき~♪
『葉佩、き○○い真似して気が触れた』
「えへ、えへへへへ・・・」
葉佩が木刀を持って、へらへら笑いながら神鳳に近づいてきた。なんとなく目がうろんで不気味であった。神鳳はおにぎりを持っていた。葉佩はそれをじーっと見るとえへ、えへへとよだれをたらしながら笑い出した。
「・・・なんですか?」
神鳳は表情を崩さずたずねる。だが葉佩は答えない。へらへら笑ってるだけだ。
「あ!九ちゃんここにいたんだ!!」
八千穂がやってきた。
「実は九ちゃん、気が触れちゃったんだ」
「・・・それなら彼を精神病院に連れて行ってやりなさい」
うがー、うがー!!
突然葉佩が暴れだした。奇声を上げながら木刀をびゅんびゅん振っている。
「九ちゃんを鎮めるには、何か上げればいいんだよ。神鳳君、そのおにぎりを上げたらどう?」
神鳳の昼飯だが、ここで彼に暴れられても困る。神鳳はおにぎりを葉佩を渡した。
葉佩はおにぎりを食べるとおとなしくなった。そして、八千穂と一緒に帰っていった。
「・・・なんなのでしょうか?」
「いひ、いひひひひ・・・」
葉佩が木の棒を振り回しながら、双樹に近づいてきた。葉佩が気が触れたと神鳳から聞いたがまさに気が触れていたとは。
「私に何か用?」
双樹は面倒くさそうにたずねた。すると葉佩の視線は双樹の杏仁豆腐に注がれている。
「これがほしいわけ?」
「うん!!」
八千穂が笑顔で答えた。
葉佩はへらへら笑っている。面倒ごとが嫌いな双樹はあっさり杏仁豆腐(食べかけ)をあげた。
葉佩は杏仁豆腐を食べるとおとなしくなり、八千穂と一緒に帰った。
「あは、あはははは・・・」
ここは生徒会室。葉佩が金属バットを振り回しながら、阿門に近づいてきた。
「何の用だ・・・」
阿門は面倒くさそうにたずねた。
「あのね、九ちゃん遺跡の最深部の鍵がほしいんだって」
八千穂が代弁した。
「九ちゃんをおとなしくさせるには、鍵を渡す必要があるの。だから渡して!」
八千穂が満点の笑みを浮かべた。
「ふん・・・、葉佩と結託して俺から鍵を奪おうとしてもだめだ」
「え?」
「どうせ転校生のき○○いは狂言なのだろう?俺を騙すことはできん」
葉佩と八千穂は青ざめている。なんでばれたんだろう?
「いまどきき○○いのふりをして、物をせしめようなど、小学生でも思いつかんぞ?」
阿門は指をぱちんと鳴らした。神鳳と双樹が葉佩の後ろに立っている。手には木刀と木の棒が握られていた。
「あわ、あわわわわ・・・」
「八千穂明日香は見逃してやる。だが転校生は罰を受けてもらう。やれ!!」
阿門は右手を差し出した。途端に葉佩は動けなくなる。黒い砂でコントロールしたのだろう。
「これも会長の命令でしてね。悪く思わないでください」
「あなたは耐えられるかしら?うふふ♪」
がす、がす!がすぅ!!
神鳳と双樹は手にした木刀と木の棒で思い切り葉佩の頭をぼこぼこに叩いた。そして阿門が葉佩の持っていた金属バットでがつんと振り下ろした。
「あは、いひ、うふ、えへ、おほ・・・」
ああ、殴られすぎて、葉佩はき○○い真似したばっかりに、本当に気が触れてしまったのである。
「これが墓荒らしの末路だ。神鳳、双樹。こいつを墓に埋めておけ」
葉佩は二人に引きずられていった。八千穂はすっかり腰を抜かしている。小水を漏らしていた。
「これでわかっただろう?墓に近づくものには呪いが降りかかると。これからは平凡な日常を感謝しながら生きることだ」
「・・・何これ?」
体育館で演劇部の演劇が終わった。それを見終わった葉佩は呆然としていた。あまりに反社会的な内容に唖然としていた。
「・・・パンフによれば、この演劇の台本は生徒会が用意したそうだ」
皆守がパンフをぺらぺらめくっている。同じくあきれ返っているのだろう。
「なんでも原作は昔の特撮番組『クレクレタコラ』から作られたそうだ」
そんな番組を知っている人間は、何人いるだろうか?少なくとも天香学園で知っている人間は少数だと思う。
「生徒会による報復措置といったところか」
葉佩はどんよりと暗くなった。
終わり