疑似表裏的魔人学園〜祝・百萬接触〜

タケ

今日もまた帰りしな、みんなでラーメンを食べに行こうとしている。美里なんか、あの細っこい体のどこにそんなに入るんだ??といつも聞きたくなる。いや、聞けないんだけど・・・(しくしく)
最初はラーメンに誘われただけでチョモランマの山頂どころか月面まで心がぶっ飛ぶほど喜んでいた(しかし心の中だけで)俺だが、最近はそれにも慣れてきた。
はっ。駄目だ!そんなんじゃあ転校前の俺に闇討ちされるぞ!まぁ闘いのおかげで強くなっているから返り討ちにしてくれるけどな!って返り討ちにしてどーすんねん。初心を思い出すんだ!友達とラーメンだぞ!?
と、いきなり前を歩いていた京一の足が止まる。もー、いってくれなきゃ危ないじゃないか・・・。なんだよ。何を見つめているんだ?
「京一?」
そんな俺の心を読み取ったのか醍醐が京一をいぶかしげに見ながら尋ねる。だが京一の口はいつも開けっ放しなのに今は貝のように閉じられている。悪いものでも食ったのか?
「どうしたっていうのさ!?」
桜井がそう尋ねる。空腹は人を短気にするっていうしさ、京一、とっとと動くか答えるかしないと矢が飛んでくるぞ。
「いや、あそこの男が群がっている服屋をだな・・・」
ごにょごにょと京一が言ったので、俺たち4人はいっせいに向こうの通りにある服屋を見た。看護婦の服から、意味不明な水着から、藤咲が着てもおかしくなさそうなものまで売っている。でも、一体あの服屋は誰を対象にしているんだ?売り物は女物なのになんで男が店にたくさんいるんだ?

「メイド服セールって・・・」
桜井があきれたように言う。メイド服セール・・・・そういえば、人がたむろしている店頭にはメイド服がたくさん置かれている。世の中不況だというのに、あんなにたくさんの人間がメイドを雇っているのか。日本経済もまだまだ安泰だな。
「いーだろ!?メイドは男のロマンだ!」
京一が木刀の入った袱紗を振って桜井に返す。
ってことはお前・・・美里にメイド服着せたいのか?似合うとは思うが、了解はとってからの方がいいと思うぞ。今や家事は男も分担する時代だしな。と思って美里を見たらにこにこしている。余裕だな〜。しかし美里はいつもにこにこしているけど、何気に「ジハード」とか使っているからな・・・。

「そーなの?」
がなった京一の言葉に桜井が醍醐に聞く。
「メイドって・・・ご飯を作って、掃除をして、洗濯するお手伝いさんのことだろう?家政婦さんじゃあいけないのか?」
うむ。いいつっこみだ。さすが往年コンビ。
「醍醐!お前なんてことを・・・。家政婦のおばちゃんとメイドを一緒にすんなよ。こう、メイド服を着たかわいらしいメイドがだな、飯を作ってくれるわけだ。想像しただけでおいしいじゃねーか!」
京一が興奮して桜井を指さして力説する。
何が旨いのかいまいちわからんが、京一、それは家政婦のおばちゃんに失礼だと思うぞ。しかも、家政婦とメイドをわけているのは年齢なのか?服なのか?
「どっちでも一緒だよ!それにいっつもおんなじ様なことをひ〜ちゃんにやらせてるんだから京一にメイドなんか必要ないでしょ!」
「ひ、ひ〜ちゃんが俺のメイド!?」
桜井の言葉に京一が真っ赤になりながらすっとんきょうな声を上げる。(京一の頭にメイド服を着た龍麻が飛び交っていたのは言うまでもない。)
・・・・そういえば、京一はほぼ三日とおかず家に来ていて、食事は俺が作るし、掃除も俺がするし、洗濯・・・はさすがにしないけど・・・はっ、ってことは、俺は京一の家政婦なのか!?いや、一応俺はまだ高校生で若いから、京一の言うとおりメイドなのか!?ってまずは女じゃないだろ!?その前に給料もらってないちゅーねん。
「ったく、「京一のメイド」だなんて言ってないだろ。この馬鹿になんとかいってやってよ、ひーちゃん」
あきれたように桜井が言う。
「・・・・」
京一を見つめたまま、声は出ない。つーか、言いたいことがあるときですら上手く話せないのに、こんな何いっていいかわからん状況で何か話せるわけないやろ、桜井。まだまだだな〜。とつっこんでみたところで声に出してないのだから伝わるわけもない。
「ひーちゃん・・・」
ぼそっと京一がつぶやく。どうしたんだ?京一。顔真っ赤だぞ。
しかし、京一もさ、いつも他のやつらとやるみたいに、もっとつっ込みやすい状況にしてくれっての。こう、一言二言のつっこみでおわるようなネタを振ってくれよ。
しばらく京一と見詰め合ったまま、気まずい空気が流れる。京一の顔が今度は青くなり始めた。突っ込みをまっているんだな!?ごめんよ、のろい突っ込みで。でも、そんなこと言われても考えつかんっての。つっこみは直感とタイミングが大切、だろ?

ええい、ままよ!
「・・・・ら」
「「ら?」」
桜井と京一が二人して復唱する。
「ラーメン」


・・・・。
・・・・。
嫌な沈黙だな。なんだよ。俺に漫才のセンスはないってか?そうだよ。俺は逃げたよ。わかってるよ。ちくしょー!!!
「そ、そうね。ラーメンを食べに行くところだったわよね。行きましょう」
美里が助け舟をだしてくれる。うぅ・・・。ありがとう。
「そ、そうだな。とっととラーメン食って帰ろうぜ」
京一、せっかくネタ振ってくれたのに突っ込めなくてごめん。俺・・・ボケ役の方が実は得意なんだよ。でも、ボケも声に出せんから意味がないけどさ。
「だよね。もー、京一が変なこと言い出すから、おなかすいちゃったじゃないか」
みんな、優しいよな。俺、頑張るよ。もっと芸に磨きをかけて・・・その前にもっと話せるようにして・・・。って何回俺この決意してんだろ。
とりあえず、もっと精進するから、気長に待っててくれよな☆って誰に向かっていってんねん。

「おい、タイショー、おいていくぞ」
歩き出しても醍醐がついてこなかったので京一がそう言う。振り返ると醍醐は腹を押さえている。そんなに腹が減ったのか?減ったならまずは歩かなきゃラーメン屋にはつかないぞ。働かざるもの食うべからずだ。って歩行は労働か?
よし!今日は帰ったら鏡を前に笑顔練習100万回決定!って百萬接触記念だから100万回は安直だっちゅーの。俺、駄洒落みたいなのは嫌いなのにー。

2003/05/20 奪

タケ「まずは100万HITおめでとうございます。まだ少し早いですね。三日ほど待っていたのですが、私が今日から三週間一本勝負の夏学期第一弾に入り明日からは激務で「いつ100万になるかしら♪」とか言っていられない状況になったので、遅いよりは早いほうが、ということで少し早く失礼します。

えー、本当に意味のない話で、書いた後どうしようかと思いましたが、ずっと素敵なサイトを続けてくれていたことと、いつも修練場を使わせて頂いていることへのお礼です。ひーちゃんにメイド。難しいですね。(お前のはメイド服ネタだろ?というつっこみは禁止です)初めての疑似表裏でなんだか全くキャラつかんでない暴走サイトファン失格のような小説になってしまいましたがお納めくださいませ。
本当は俺的魔人学園のマリィネタが用意されていたのですが(90万行く前から 笑)やっぱりお祝いなので、疑似表裏に挑戦しました。

さて皆様。つたないところもあるでしょうが、「こんなの暴サイトのひーちゃんじゃないわ!」という苦情はサーノ様以外から受け付けません。」2003/05/20 11:57


サーノ「何はさておきメイド服セールて!! 流石は魔界都市、何でもありやなー(笑)。表裏風味で書いて下さってありがとーございました♪ 緋勇の雪崩っぷりが見事でした♪」

瑠鳳 祐季「最高です!ひーちゃんのメイド・・・見てみたいと思わせる作品ですよ!かなり暴サイトに相応しいと思います!!」2003/05/20 17:10

お夏「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メイドはやっぱりお(黙)。」2003/05/23 14:19