魔人一武闘会開催!!

水鏡龍騎

「はぁ?」
それは、如月骨董品店に響いた、店主の声。
「だからよ、特訓も兼ねてチーム戦してみねぇかって言ったんだよ。なぁ、ひーちゃん。」
相変わらず無口なまま、ただ京一の言葉に頷く龍麻の肩に腕を回しながら、京一はのたまった。
如月は京一の意図をいまだ掴みかねず、さらに訊き返す。
「君は一体何が言いたいんだ?まあ、どうせ下らない事なのだろうが。」
「うるせぇ!今回はひーちゃんと相談して決めたことなんだよ!戦力アップの為には個人の力も大事だけど、チームワークも重要だからな。その二つをいっぺんに増強するには5人ずつに分かれて闘り合うのが一番だろうが。」
京一は一気にまくし立てるが、如月はその言葉に聞き逃せない物があり、恐る恐る訊いてみる。
「今・・・何と言った?」
「あん?聞いてなかったのかよ?だからチームワークをだな・・・。」
「いや、そこじゃない。もっと前だ」
京一は、如月の言葉に、なんだよ、という顔をしながらもう一度先ほどと同じ言葉を伝えた。
「相談・・・した?・・・龍麻と?龍麻が話し合いをしたのか!?」
聞きようによってはものすごく失礼なことではあったが、それほど如月には衝撃的であった。
だが、本当の所は京一の提案に対して、龍麻は頷いたり首を振ったりしただけなのだが、京一はチャンスとばかりに一気に攻め立てる。
「へへーん、夜中まで二人でずっと話してたんだぜ。まあ、俺とひーちゃんの仲だからな。」
醍醐が聞いたら速効病院行きだっただろう。
京一は思いっきり自慢し、如月は敗北という二文字を背負って両手を地面に付いたのだった・・・。

「如月サン、いるかい?」
「HAHAHA!お邪魔するネー」
そこへ入ってきたのは雨紋とアラン。
「あ、龍麻サンじゃないっすか。こんなところで何してるんすか?・・・って京一もいるのかよ」
雨紋は龍麻を見、次に勝ち誇っていた京一を見た。
「やあ、どうしたんだい?」
何時の間にやら、如月は復活し、二人に声をかける。
「それよりも・・・なんかあったんすか?」
明らかにいつもと違う空気に雨紋は疑問を口にした。
「い、いや、なんでもないよ。」
声が上擦ってます、如月さん。
「教えてほしいか?いいぜ、聞かせてやってもよ」
京一はさらに自慢したいらしく、ターゲットを変更したようだ。
しかし、そこへ静かだが強い声が響く。
「・・・京一・・・。」
龍麻の声に京一は我を取り戻す。
「ん?ああ、すまねぇ。つい遊んじまった。これから、仲間集めてチーム戦やろうと思ってるんだけど、お前らも来るよな?」
「チームバトルですネー!面白そうネー」
「へぇ、面白そうだな。よし、俺様は参加させてもらうぜ」
二つ返事でOKを出した二人に頷くと、京一は如月の方に向き直る。
「で、おたくはどうする?」
如月は少し考え、こう答えた。
「まあ・・・龍麻が良いと言うなら別に構わない。場所は旧校舎でいいのかい?」
「ああ、そのつもりだぜ。それじゃ、他のやつらにも連絡取るから、先に行っててくれよ。」
そう言うと、龍麻の手を引っ張り京一は店を飛び出して行った。

1時間後、舞子とマリィ、そして織部姉妹を除いた11名が旧校舎地下一階に集合していた。
舞子は桜ケ丘が忙しく、抜けられないようで、マリィは部活中、そして織部姉妹も神社の方で予定があるらしく、参加できないようだ。
「さて、チーム戦ということは何人かに分かれるのだろう?どう分けるんだい?」
如月は当然の質問をぶつける。
「大丈夫、ちゃんと考えてあるぜ。まず、5人一組で分ける。そうすると11人いるわけだから、一人余っちまうわけだが、美里に抜けてもらう。舞子がいない以上、唯一の回復役だからな。どちらにいれても不公平になっちまうし。で、次にチームリーダーだけど、ひーちゃんは当然として、もう一人は如月にやってもらおうと思ってる。」
「何?」
自分が任命されたことに少なからず不満をもったようだ。理由はいたって簡単、龍麻と一緒じゃないから。
「悔しいけどな、龍麻と渡り合える戦略をもってるのはお前しかいないんだよ。」
一見如月を誉めてるようにも見える京一。だが、その実、ただ自分が龍麻と一緒に闘いたいだけ。
「む・・・それならば仕方がない。」
しぶしぶ納得する如月。
「で、他のメンバーは、醍醐、小蒔、藤崎、俺がひーちゃんチームで、紫暮、裏密、雨紋、アランが如月チームだ。」
「ちょっと待てよ!」
真っ先に反応したのは雨紋。
「うふふふふ〜・・・京一く〜ん。」
そして邪悪な笑みを浮べている裏密だった。
「な、なんだよ。ちゃんと戦力を考えて振り分けただろうが。な、なぁひーちゃん。」
冷や汗をかきながら龍麻に助けを求める京一。
「・・・ああ。」
それに対し、頷く龍麻。
「ちっ・・・龍麻サンがそう言うんじゃしょうがねぇか。」
「ミサちゃん、ざんね〜ん」
二人ともなんとか引き下がってくれたようだ。
「まあ、確かに戦力的には振り分けられているな。よし、そろそろ始めるか。」
醍醐が後を続けた。
「うむ。久々に腕がなる。」
同意する紫暮。
「それじゃ、楽しませてもらうわね。」
「ボクもがんばっちゃお!」
嬉しそうな表情の藤崎に、わくわく顔の小蒔。
「みんな・・・無理はしないでね・・・。」
その姿に心配そうな顔の葵であった。
「では、龍麻・・・始めよう」
如月が開始の声を促す。
「・・・ああ・・・いくぞ。」
龍麻の声と共に、戦闘が始まった!


それから2時間がたち、龍麻達は旧校舎の前に集まっていた。
「ふ・・・今日は久々に楽しめたよ。」
「OH!たのしめたネー!」
「またやりたいぜ。なぁ龍麻サン。」
「ストレス発散には丁度いいかもね。」
「腕を上げたな、醍醐。」
「そういうお前もな、紫暮。」
「うふふふ〜、次は〜悪魔を召喚しようかな〜。」
「葵!ボクの活躍みてくれた!?」
「ええ、すごかったわね、小蒔。」
みんなが思い思いに先のチーム戦の感想を言い合う中、龍麻と京一は少し離れたところに居た。

「よう、ひーちゃん。結構楽しめたろ?」
「・・・ああ。」
「どうだ?実際みんなと闘ってみてよ。みんなお前が思うほど弱くはないと思うぜ?」
「・・・ああ。」
「だからよ、一人で無茶するんじゃぇぞ。ひーちゃんのフォローぐらいやれるんだからよ。ちゃんと俺たちを頼ってくれていいんだぜ?」
「・・・ああ。」
「へへっ。それじゃあいつらが待ってるぜ。行くか!」
京一は龍麻を手を引っ張り、仲間達の方へと歩いて行った・・・。

2004/05/09 奪

水鏡龍騎「魔人小説、初めて書きましたw
自分で書いてみると、思ったよりキャラがつかめず、中途半端な感じになってしまってますね(爆)
ひーちゃんは「ああ」しか言ってないしw
とりあえず、「5」がお題と聞いて、最初に浮かんだのがチームバトルと天下一○闘会(爆)
良くある設定ですが、魔人に使ったらどうなるかなと思って見ました。
流石に戦闘シーンは、書き辛く端折ってしまいましたが(爆)
まあ、戦闘部分とひーちゃんの心はご想像にお任せしますw
それでは、拙い文章ですが、読んでいただければ幸いです^^」 2004/05/11 03:33


サーノ「わ〜初物を賜りまして感謝感激です! いやいやちゃんとキャラ掴めてると思いますよ〜(^^)v
緋勇の内心(の心漫才)は心の中で補足するとして(笑)、戦闘シーンはどんなだったのか想像すると笑えますね。
ここぞとばかりに若旦那と京一は狙いあっていそう(笑)。」 2004/06/01 19:50