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 この十日程、龍麻はおかしかった。 ぼんやりと窓の外を見ていることが多くなった。授業中も、何も聞いていないのか、答えられないことが続いた。話しかけても、一度で振り向くことがない。 何かに苛ついているのか、机をトントンと指で弾いてみたり、溜息をついたりする。いずれも、以前の龍麻には見られなかった行動で... 続き→

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 京一がいつものように龍麻に絡んでいると、小蒔が声をかけてきた。 いつもの光景だった。何事もなかったような平和な情景。 小蒔をからかってみる。屈託無く笑う。 常に気丈に振る舞い、気丈に振る舞う事で自分の不安や悩みを吹き飛ばすのが小蒔だ。... 続き→

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 一体どういう情報網を持っていやがるんだ。 昨晩の帰宅途中に遭遇した事件について教えろと、いきなり詰め寄ってきたアン子に半ば呆れつつ、京一は適当に誤魔化した。 「ああ、あのことね。バッチリ見たって。風でめくれたおネエちゃんのパン───」 言い終わらない内にアン子の平手が飛んでくる。 (ッたく、はぐら... 続き→

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 京一はその時、ひどく不機嫌だった。 今し方の生物の授業で、犬神に四回も指されたのだ。 (アイツのああいう陰湿なイジメが嫌いなんだっての。何かってーと目の敵みたいに突っ掛かってきやがって…) 小蒔が不気味そうに語る夢の話も、京一にとってはどうでも良かった。 まさか、その「夢」がこれから起きる事件と関... 続き→

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 昼休みの事だった。 廊下で、学食へ向かう龍麻を見つけた京一は、(どれ、一発お昼のご挨拶を…)と後ろから忍び寄り、左手を龍麻の肩に伸ばした。  しかし。 振り向きもせず、ごく自然に龍麻は肩を引き、ひらりと京一の手首を掴んだのだ。 全身が凍り付く思いだった。 龍麻が油断のならない男だということは分かっ... 続き→