『生まれてきた意味』

鷹司かい

本当は、ただ、共に有りたかっただけ。


たった一人、だったから。
ずっと、孤独だったから。
その太陽のような魂に、惹かれた。

もっと近づきたかった。
側に、いたかった。
必要と、されたかった。


だから―――抱かれた。


嫌われているのかもしれない。
憎まれているのかもしれない。


それでも・・・嬉しかった。

他の誰でもない、お前が。
他の誰でもない、オレを、
求めてくれたから。


たった一人しかいらない。欲しいのは・・・この腕だけ。


もうどうしようもない、この気持ちは、
オレの中で息づいてしまっているから。

生まれて、はじめて、感じる、激情。

こんなにも苦しいのに、捨てられない。
この苦しさすら、愛しい。

それは自分が生きている証。
生まれてきた、意味。

この気持ちを言葉にしたら、
全て失ってしまうのかな?

怖い。

喩え狂っていても、受け入れられなくても、
今のままでいいのに。
空虚な孤独よりも、この気持ちを生かしておける、
今のほうが、ずっと、いい。

でも・・・一度でいいから。
言葉にしたい。
伝えたい。
自分の、この胸の内を。

無理なのは、解っているけど。
受け入れられるはずも無いと、解っているけど。
自分の、勝手かもしれないけれど。


・・・好きだ。


本当は・・・本当は、愛されたい。
他の誰でもない・・・お前に。
愛したい・・・愛されたい。

10/29/1999 Release.