アズライール
………どうしよう。困った。
目の前には京一が呆然としたように立っている。おっと、目があってしまった。急いで視線をそらさないと。あ、その前に京一の方が先に視線をそらしている。
「あれっ?ひーちゃん、いねえのか?」
ひどいわっ、あなた目の前にいるアタシのことを見失ってしまうなんてっ、て違うやろオレ(びしっ) やっぱりあの『たれたれハンマー』でたれぱんだになってしまったんだから、いくら京一でも分からないだろうな。いくら可愛いからといって自分がなっても仕方ないよな。可愛くないし。
だけどこれって動きにくいな。手も足も動かしにくいし、とろいし。…やっぱり転がっていくほうが速いんだろうか?
とりあえず京一の傍にいってみよう。ぼてっとな。お、やっぱり転がったほうがいいな〜と思ってたら、いきなり京一に抱き上げられた。
ちょっと、ちょっと京一さん?スキンシップは嬉しいんだけどあの、オレから見たら結構地面との差があって怖いんですが……もう少し低くしてほしいんですが………やっぱり以心伝心はムリ?とほほ。
ちょっぴり寂しい気分になってたらいきなり京一がオレをかかえたまま部屋をあちこち覗いていく。
うえ〜ん、怖いーっ、落ちるーーーーっ………ゼイゼイ。やっと一通り部屋を覗き終わってオレの姿が無いことを確認した京一がこっちを向いてくれた。……あれ?みつめあうなんてまだ心の準備が…って、何の準備やねん(びしっ)やっぱりオレが呪われてこんな姿になったなんて思わないらしい。しばしみつめあったオレたちだったけど、京一がいきなりブンブン首を振った時には驚いた。肩こりか?
京一にアイテムの整理をするためにオレは部屋の隅っこに追いやられてしまった。ここには大麻が無かったから京一に気付いてもらわないともとの姿に戻れないので、なんとか分かってもらわないと。
とりあえず、京一の傍に行って裏拳ツッコミをやってみる。京一〜オレだよ〜分かってよ〜と祈りを込めたけど、どうも伝わってないらしい。今度はアイテムの山に行く手を阻まれる形でまた京一と離れてしまった。
一生懸命登っても、途中で滑り落ちていく。あ、京一が笑った。……ウケてる?オレ!?よ〜し、京一が笑っている間に何とかこれを乗り越えてツッコミをいれるんだ!芸人魂が燃えるぜってオレは芸人ちゃうって(びしっ)うふふ〜まっててね〜
せっかくアイテムの山を越えて京一にツッコミをいれようとしたけどその前に、たれぱんだがオレが呪いを受けた姿だっていうのが分かって急いで大麻でなおしてくれた。
もとの姿に戻ったのは嬉しかったけど、うう〜ツッコミいれたかったよ〜(涙)
2000/05/29 Release.