京一視点

さて、あんまりひーちゃんを待たせちゃ悪いからな俺だけでも先に屋上に行かなきゃな。ひーちゃんも最近やっとすこし笑う様になったし。
屋上の扉をあけ、声をかける。
「いや・・・」短い一言だけで振り向いたひーちゃんの顔は疲労の色が濃かった。一体どうしたんだ?
まるで寝てねえみたいじゃないか?問いただすと
「ひ・・・こ・を・・して・・」
なに?ひーちゃんは言葉を濁している。ひ?・・・もしかして!
比良坂の事か!?あの時の事を思い出して・・・なぜだ!どうして何時も一人で抱え込むんだよ!そんなに俺は信用が無いのか!?
しかも唇を噛み締めて、顔を逸らそうとしたがその瞳に涙があるのを俺は見逃さなかった。その後はもう夢中でひーちゃんの事を抱きしめていた。
くそっ、誰か俺に教えてくれ!こいつの心を癒す術を・・・