二番だし
でんでけでけでけでんでけでんでんででででででんでけでんでけでんでんでん…………。
な、何!?何ごと!?
………ここはどこ?ワタシは誰?
って、ボケてる場合やないやろ、オレ!
ここって………ジャングル?でっかいヤシの木とかバナナの木とか……。
ワニーーーーー!?
………って、良く見たら温泉?ジャングル風呂ってやつか。
あー吃驚したなぁ、もう。
………待てや、おいオレ。何でこんな所にいるんだ?
それに………。
でんでけでけでけでんでけでんでんででででででんでけでんでけでんでんでん…………。
どうして皆、腰ミノ巻いて体に色塗って踊ってるんだ?仮装大会か?
「んばば、んばんば♪」
って、その振り付けは室戸市名物シットロト踊り!
あ~おい空が呼んでいる~♪って、歌うなや(心の中で)オレ。
………うぷぷ、笑っちゃいけないけど(いや心の中で)醍醐その酋長みたいな格好、似合うなぁ。紫暮も分裂してまで踊らんでも……ぷぷぷ。頭に羽根飾り一杯つけたアランと雷人が並んで太鼓を叩いてる。ペアルック!?……お前ら本当に息ぴったりだな(色んな意味でさ)。
はぁ~女の子達もお花一杯付けて可愛いなぁ。あはは、マリィ、メフィストにまでお花付けちゃってるよ。あはははは。
しっかし楽しそうだなぁ、みんな。よっし、オレも仲間に入れてもらおうっと!
………あれ?動けない、おかしいな………って、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
な、何でオレ柱に括り付けられてるんだ?
しくしく……皆の邪魔しないように~?くすん……。
て、何かちょっと違うような気がしてきた。だってみんなオレを縛った柱を中心にぐるぐる踊りながら回ってるんだもん。はみごって感じじゃないよなぁ ……むしろ(冷汗)。
おい!レッド!その薪はなんだっ!?ブラックまで!?
って、オレが心の中でパニクってる間に足元にどんどん薪が積まれてしまった。
こ、これってまるで………。
でんでけでけでけでんでけでんでんででででででんでけでんでけでんでんでん…………ででん!!
太鼓の音が止まった。
皆の目がじーーっとこっちを見ている。
こ、怖い!マジ怖いよ~~~(涙)。
って、壬生?何でお前だけまともな格好なんだ?っても、黒い…あ、牧師さんの服だ。似合ってるけど何か違和感感じちゃうのオレだけ?
「天にまします我らが父よ…」
お祈りまで始めちゃったよ。でも後ろでまたみんな愉快な踊りを踊ってるから余計おかしいんだけど……わはははははは。
て、顔に出て無いのに笑ってるのばれた?壬生がこっち睨んでるし。
「じゃ、言い残す事はないかい?」
じゃって言われましても……。って、まさか………?
「さ、マリィ。遠慮しなくていいのよ」
美里のいつもと同じ優しい笑顔がとても怖い…。
「エへへ。ジャ、オニイチャン。Bye!」
マリィ!?うそっ!?その掌の炎はなぁに?
「Fire!!」
きゃぁぁぁぁぁ~~~~~~マジっ!?マジオレ火あぶり!?
これって仮装大会じゃなくて火葬大会だったのね…………って、く、くだんね~~~(涙)。
ダジャレは嫌いやっつーてるやろうがぁ!!(ビシィ!)
って、誰にツッコんでんねん、オレ?
……で、皆また踊りだしたし……。
あち!あちちちち!!そーいやオレ、火あぶりになってるんだった!忘れてた!
いやぁぁ~~~誰か助けてぇ~~~(号泣)。
…………?何か聞こえる。
太鼓の音がうるさくてよく聞こえない……けどだんだん近づいて来る…。
「あ~ああ~~~~~~~」
ドップラー効果で段々近づいてくるこの声は……!
「ひーちゃん!大丈夫か!?」
やっぱり京一だぁ!(歓喜)ターザンみたいにロープだか蔦だかを握って颯爽と登場!!
……でも、あの~京一?……何でパンダパンツ一丁なんだ?
と聞きたいがその前にこの火、何とかしてぇ~~。あち、熱いってば!
ぶちっ!
京一の剣がオレを縛っていたロープを一刀両断!ひゅー格好いい!
……でも、ロープが切れたってことわぁ?
あきゃぁ~~、焚き火の上にぃ!?
「オラァ!」
オレが落っこちる寸前、京一の放った剄が薪ごと炎を吹き飛ばした。
うっひゃ~、凄いぞ、京一!
べちょ……とか床に落っこちる寸前、またしても京一はオレをナイスキャッチしてくれた。うーん、この無茶苦茶なまでの離れ技は仮面の忍者赤○のように格好いいぞ。……○影はパンダパンツじゃないけど(もうえーって)。
「おのれ、蓬莱寺!邪魔だてする気か!?」
は、この声は翡翠!
………あの~昔角○映画で沢田○ニがやってた天草四郎?そ、そのキンキラキンの衣装……妙に似合ってるだけに何とも言えないっす。
「ひーちゃんは返してもらうぜ!」
びしぃ!っと決め台詞な京一。オレはというと京一に抱えられたままだ。
闘いの邪魔になるならその辺に置いといてくれてもいいけど?
「フ……龍麻は渡さないよ」
翡翠……お前意外と悪役似合うな。って、何いきなり巻物咥えてんの…?
あ、あわわわわわわ!?どこからともなくドライアイスのスモークが!って、後ろで劉が団扇であおいでる…何か間抜け。
なーんて余裕こいてたら…げげげげげ!?どこから出てきたの、そのでっかい亀~~~!?ガ○ラ!?
この場合は普通、ガマ蛙じゃないっけー!?
「フフフ…蓬莱寺、覚悟!」
いくら京一でもあんなでっかい(何せ身長80m・体重120t)のガメ○とは闘えない。ここはギャ○ス…って普通敵だよなぁ?
オレが関係無いことをつらつら考えていると京一が真面目な顔でオレの目を覗き込んできた。
時と場合を忘れてどきどきする。(顔には出てませんが)
「ひーちゃん…」
は、はい!?
「こうなったら合体だ!」
バ○ム1!?腕をこう合わせて『バロー○クロース!』とか叫ぶのか!?
それともウル○ラマンAの様に指輪をかっちーんと!?…あ、オレ達、指輪してないか。
ま、どっちでもいいや。とにかく合体して力を合わせて○メラと闘うんだな!解ったぜ!
その気持ちを込めて大きく頷くと、京一はいきなりオレにキスしてきた。
しかも、オトナのキス!?
何、何、何ごと~~!?
うわわわ………!?イヤ~~~~(涙)いきなりツッコまないでくれ、痛い、痛いぃ(号泣)。
合体って、合体ってこういう意味だったのかぁ………………!?(フェードアウト)
「…やめろ、きょう、い…」
あまりの痛さに目覚めたオレ。見開いた目に、怒ったような京一の顔が映った。
痛いはずだ~~、ホントにツッコまれてたのか(涙)。
京一は何も言わずにひたすら突き上げてくる。苦しくて痛くて、もううめき声さえでない。
とほほ~、京一寝る前にあんなにしてたのにまだ足りなかったのか。何でそんなに元気なんだ?
うぅ、変な夢見たのは謝るからもう許してくれ…って、京一がオレの夢まで知る訳ないな。
でも何だか責められている後ろめたい気持ちが抜けなくて、詫びる気持ちを込めて京一の肩に手を伸ばしてみる。でもその手を一纏めにして頭の上で抑えつけられてしまった。じっとしてろって事ですか、すいません。
い、いかん…意識がもーろーとしてきた……。
……言いたいのに……夢だったけど京一が助けに来てくれて嬉しかったって……ホントに嬉しかったって…………。
ごめん……きょう、いち…………。
◇ 終 ◇
11/26/1999 Release.
二番だし:
とにかく笑いをとろうとしていたはずなのに、何故こうなるのでしょうか。
私は人としてどこか間違っているのかもしれません。しかし、幸せへの道はどうしてこう、遠く険しいのでしょう……(悲)
サーノ:
案ずるな、二番だしよ。
人として間違っていても、オレ様の弟子としてはすこぶる正しいぞ、キミは(大笑)。