緋勇の逡巡

 …指摘されてしまった。
どうしよう。でも、コレは、みんなと仲良く過ごすために不可欠なシロモノだし。
「つまらんことを言うようだが、武道を嗜むものとしては、その前髪は邪魔にしかならんと思ってな。」
う〜ん。醍醐の言う通り。
鳴瀧先生辺りは叱るだろうな。
でも…コレ、ないと…。醍醐も京一も、退いちゃうだろ?
みんな、オレの目を見ると怒り出すか怯えて逃げるんだぜ?
…ということを、なんとか説明しないとな。醍醐なんか、「俺が切ってやろう」とか言い出しそうだ。
……あー。えー。
くそっ。どうしてこう、言葉が出ないかな!
ち、ちょっと待ってくれ醍醐。なんとか今、説明するから…