緋勇の誤解パート2

 あ、蓬莱寺。どーした? うわ、階段で負ぶさるのは怖いって!
「悪い、ちょっとなんつーかよ、ホレなんつーの? 初めて見たからよ、ちょっと見入っちゃったっつーか、いや、別にみ、見惚れてたんじゃねェぞ!? つ、つまり気にすんなって! 俺も醍醐も何ともねェから! なッ?」
 ……怒ってないのか?
でもさっきは確かに、あんな真っ赤になってたよな。
 …ま、いっか。きっと、さっきはカッとなっちゃったけど、今は怒ってないってことだな。
あ、ゴミ捨てしたから許してくれたのか?
やったー! 偉いぞオレ!
 有り難う蓬莱寺、こんなことで許してくれるなんてイイ奴だよな。
これからは、やっぱり、あんまり目は見せない方がいいだろうけど、それでも受け入れてもらえた。
一個、隠し事が減っただけ、友情度が高まった気がする。なんてね。
 オレは蓬莱寺を引きずったまま、ウキウキ気分で階段を降りた。
「な、龍麻? …ホントに気にすんなよ?」
背中で心配そうに囁く声が嬉しい。
「…聞いてっか? おい、龍麻って。」
聞いてるよ。気にしてないよ。…の気持ちを込めて、オレの首肩にぎっちり掴まっている蓬莱寺の腕を、ポンポンと叩いた。
ほんと…ありがとな、蓬莱寺。