どうしよう！？
このまま帰っちゃったら、美里がガッカリするよな。
　そもそも、旧校舎の化け物が持ってた指輪なんて拾うのが悪いんだ。気持ち悪いから捨てて欲しかったのに。
美里が「不思議な<<力>>を感じる」とか言うので、どういう代物なのか鑑定してもらおうって話になっちゃったのだ。
　困ったなあ…説明出来ないよな、だってオレらもあいつらの正体知らないんだもん。
オレ、もしかして東京の学校にはみんなああいう旧校舎みたいなのがあって、学生はみんなああいう得体の知れないのと闘ってるんじゃないかって、ちょっと不安だったんだけど…流石にそんなことはないよな。
　でもなあ。
この骨董品屋、ざっと見ただけでも、すごい変なものばかり売ってるぞ。
回復薬とか麻痺薬とか…どう見ても戦闘に使うものだろ？　武器とかもすぐ使えそうだし。
やっぱ普通のことなんだろうか？　あの旧校舎の闘いは。
すっげー得体の知れない敵が落としました、って言ったら理解ってくれるかな？　どうだろう。
　うっ…。
何かオレのこと睨んでるよ。まずい、得体の知れないのは敵じゃなくてオレの方？
い、いや骨董品屋さん！　違うんですよ、オレは単に敵からソイツを入手しちゃっただけでね、見た目怖いかも知れないけどボクは一介の高校生なんです！
ああヤバイ、なんかそのまま警察に電話しちゃいそう。そんなウサンクサイ〜って目で見ないでよ、骨董品屋さあん〜。
ああ〜どうしよう、もう言っちゃおうかな？　まずいかな？　いややっぱり…でも…うああ！　いいやもうっ言っちゃえ！　…ホラ！　説明しろ！　頑張れオレ！　警察呼ばれてあの指輪取られちゃったら美里に悪いじゃないか！　言え、言うんだ〜ッ！