龍麻の勘違いパート2

 た、助かった! ありがとー、翡翠っ。
よーし、これで醍醐も京一も怒らせないで済むな。
………あれ? まだ怒ってる…? 京一……
も、もしかして、翡翠の服も着ちゃいけないのかー? そんな…いくら漫才コンビだからって…
でもオレもラーメン食いに行きたいんだよう〜…
 とりあえず、翡翠の上着を受け取った。
恐る恐る京一を見ると、ものすごいカオで翡翠を睨んでいる。
……けっこう…京一って、ヤキモチ妬きなんだな…。美里、大変そう。ぷぷっ。
いやいやいや、オレを怒らずに、翡翠に怒ってる辺り、まだオレに気を遣ってくれてるんだから、そんなこと考えちゃいけないな。ごめん、京一。それに、ありがと。相変わらず優しいんだな、お前。
 お礼を言ってみたら、赤いカオのままで「い、いや…別にいいんだけどよ…」とか言いつつ怒るのを止めてくれた。とりあえずホッとしたぜ。
 翡翠のカーディガンは胸が随分開いててスースー涼しかった。
ラーメン屋に入ってからずっと京一と醍醐は何か言いたそうにしてたし、アランが何か言おうとしてるのを雷人が必死で止めてたし、織部の妹さんと美里がずっとカオを赤くしてたし、織部のお姉さんも何かずーっと笑ってたけど、それはきっと、翡翠の華奢な服がオレに全然似合わなかったからだろう。
ちょっと恥ずかしかったけど、みんなでラーメン屋に入れたし、直接「ヘンだ」と言わないように、みんなが気を遣ってくれてるのが分かったから、考えないことにした。
 「仲間」って、いいよなあ…