小咄
之参

新世紀


@ 第一話(2001年01月03日)
「ああッ、アニキー! アニキー!! 明けましておめっとさーん!!」
「…弦月。…おめでとう。」
「探したでーアニキ〜。(抱き付き)ってココはどこやねん?」
………。」
「…ま、そんな細かいことはどーでもエエやんな、あはは…睨まんといてぇな〜アニキ〜ッ。(ど、どっか天の方から殺気も感じるしな…)」
「…いや…。」
「そ、そーや、アニキ! こ、今年はとうとう21世紀やね! 新世紀ってヤツやね!」
「…そうだな。」
「ところでなー(マジ顔)。ワイ、ちょお悩みあんねんけどー。」
「…何だ。」
「二十世紀梨て…改名するんやろか?」
……………。」
………。」
………………………………。」
「…あ…あはは…ど…どーでもエエか、そんなん…え、えへへ…ほ、ほんならアニキ、またな〜…ふぅ。」(しくしく…ウケない…)

 (するワケないやろー! とストレートにツッコむか、そうやな〜八百屋さんも札の書き換え大変やね〜とノるか考えてたら…しくしく…)

 新世紀になっても、特に変わらないらしい龍麻の溜息は、やっぱり誰の耳にも届かなかった。

◎・◎・◎

@ 第二話(2001年01月24日)
「あああッ、アニキ! 明けましておめっとさーん!」
「…弦月?」
「イヤやな〜アニキ、旧正月やー! はははー!(抱き付き)」
「…そうか。」
「っても〜アニキったら〜。そないサックリ流さんといて〜な。あっはっは。」
「…ああ。」
「う…そ、そうそう。アニキ、またワイの悩みきいてんか〜。」
「…何だ。」
「二十世紀ヶ丘も…改名するんやろか?」
……………。」
………。」
………………………………。」
「…あ…あはは…ど…どーでもエエな、そんなん…え、えへへ…ほ、ほんならアニキ、またな〜…うぅ。」(しくしく…前回と合わせ技で笑ろてもらえるかと思ったのに〜…)

 (…………………………二十世紀ヶ丘って…なんだ?)

 千葉県民も忘れてそうな地名に一抹の寂寥を感じつつ、やっぱり溜息をついてしまう龍麻なのだった。

◇ 完 ◇

2001/02/08 Release.